Art-Schoolが染み入る連休明け。
音楽が好きです。
音楽っていいなぁと思います。
だけど、時には「何を聴いたら良いか分からない」という状況に直面することもあります。
僕は普段車の運転中に音楽を聴くことが多いのですけど(もちろんスピーカーやヘッドホンでがっつり聴くことも多いけども)、それはその時に頻繁に起こります。
約二万曲以上の音楽が入ったiPodを繋いであるものの、どれもピンと来ないのです。
全曲シャッフルをしていても、一曲飛ばし二曲飛ばし…
そんな中流れてきて飛ばさずに聴けたのが「Art-School」でした。
Art-Schoolはオルタナティヴを地で行くバンドだなぁと思っていて。
メンバーの入れ替えも激しいですし、休止もありましたし…ね。
あまりご存知でない方に紹介すると、Art-Schoolはゼロ年代にデビューしたロックバンドであります。
木下理樹というフロントマンの独特なボーカルと繊細でイノセンスなサウンドスケープが特徴ですね。ガレージロックや90年代オルタナの影響を大きく受けつつも、日本語ロックの流れもきちんとありつつ、痛々しいくらいまでの叙情的な音楽はとても胸に来ます。
現メンバーである戸高氏(通称トディー)は細美武士(通称ほそみん)率いるMONOEYESのギタリストとしても活躍中ですね。
初期メンバーの中には、ストレイテナーの現メンバーである日向秀和(通称ひなっち)と大山純(通称OJ)がいました。いや通称多いな。
ゼロ年代邦楽ロックを語る上では避けては通れないバンドであると個人的には思います。
メジャーファーストである「Requiem for Innocence」は衝撃でした。
エッヂの効いた轟音のギターから幕を開け、キラーチューンの連発。悲痛なシャウト。
胸をえぐられるような感覚がありました。
木下理樹のボーカルは「うまい」か「へた」でいうと、多くの人は「へた」と言ってしまうかもしれない。しゃくりだとかビブラートだとか、そんなのは無い。
あるのはどこまでも繊細で、痛々しくて、エモーショナルなものばかり。
でも、だからこそ多くの人に評価され、愛されているのだと思う。
ロックの初期衝動を胸の中にいつまでもしたためておくのは難しい事です。
大人になっていくとどうしても垢が抜けてしまう。
でも木下理樹のボーカルは普遍的だと思う。
もちろん初期に比べると声が違うとか細かい変化はあるけれど、根底にある、「ボーカル」への哲学みたいなものは変わっていないと思うのだ。
とは言え、僕もすべてのアルバムを所持しているわけでは無い。
Art-Schoolを聴くには少し体力を必要とするからだ。
木下理樹、もといArt-Schoolの音楽に触れると、何か物事を深く考えてしまう、考えたくなる。
自分自身の奥底と対話せざるを得ない空気になるのだ。(同じような理由でsyrup16gもなかなか全曲揃えられない)
個人的には、今年の連休は普通に仕事だったので連休ボケなんてのは無いのだけど、僕が住む街にも遠い場所のナンバープレートをつけた車がたくさん走り、やたらに交通量、人口が増えていたあの連休独特の浮ついた空気感。
その残り香を漂わせている街の風景と雰囲気にArt-Schoolがとても合う。
天候が優れないのも一因で、Art-Schoolは雨とか曇りの天気が合うと思う。
どんよりしていればしているほど沁みる。
…という内容をはじめはツイートしようとしていたのだけど、書きたいことがありすぎて記事にしてしまった。
Art-School、オススメです。
これがメジャーファースト。
初期ならではの焦燥感が凄いです。
あとひなっちのベースが良い。今を思うと珍しくルート弾きに徹底しているのだけど、そのベースサウンドはやはりひなっちだなって思います。かっこよい。
このアルバムが大好きで。
エンジニアとキーボードでROVOの益子さんが参加している作品です。
益子さんといえば後期スーパーカーのサウンドを支えた人でも有名ですね。
クラムボンの「てん、」にて、ステレオ盤のミックスをされたのも益子さんだったはず。
これがArt-Schoolの音楽とめちゃくちゃ相性いいんですよね。
「Nowhere land」とか大好き。
このアルバムに収録してある「テュペロ・ハニー」というシングル盤のカップリングにある「その指で」が、もう、狂おしいほど好き。
今年出たB面集にも収録されているので、是非。(僕も入手しなければ)
木下理樹とトディーが大きく絡んだKARENという幻のバンドもオススメ。
- アーティスト: KAREN
- 出版社/メーカー: DAIZAWA RECORDS / UK.PROJECT
- 発売日: 2008/05/02
- メディア: CD
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「Flora」的な、浮遊感のあるキラキラしたギターポップなのだけど、独特の鬱っぽい雰囲気が好き。アチコさんのボーカルも不思議な心地よさありますね。
そんなこんなでした〜!