『OTONA CHILD』全曲解説【後編】
前編はコチラ↓
アルバムのリリース詳細はコチラ↓
それでは、早速後編を書いていこうと思いますよ〜〜〜
06.halo
halo…つまり暈(かさ)のことです。太陽や月の周りに出来る光の輪ことですね。
個人的な趣味で、空の気象現象が好きなのですが…
空が好きだなぁとハッキリ自覚した最近。なので勉強したくなってAmazonでポチりました。素敵。この本素敵。#楽しい気象観察図鑑
この図鑑を読み、気に止まった現象、そして言葉が「halo(=暈)」でした。
太陽や月のように大元の光源ではなく、その周りに出来る光、というその存在がすごく儚くて、綺麗だなぁと思ったんですね。
で、僕の作詞の世界観の中で「光」っていうのはすごく大切にしてるテーマだと思っていて。あと「照らす」「照らされる」っていうのも。
それは物理的な意味を持った「光」もそうだし、「精神的な光」(=希望だとか、ポジティブなもの)という意味でも。そういう、あらゆる光と照らし照らされるもの、そんなものを歌詞に出来たらな、と思って作詞作業を進めていきました。
歌詞の流れとして、自然の光から人工の光、そして精神的な意味での光…と潜っていくようなアプローチが書けたのが嬉しかったですね。歌詞に関しては、アルバム中いちばん気に入ってる楽曲です。
サウンド面に関しては、「あえて」をいろいろやりました。
間奏もほとんど無いし、コーラス(ハモ)も無い。もっと楽曲として…というかポップスとして「らしい」編曲にも出来たのだけど、あえて、歌い出しから終わりまで一気に駆け抜けたものにしたかったんです。
あと、細かいところなのですが、僕は基本メインで弾いてるギターを左のチャンネルに寄せたいんですね。例えば弾き語りとか、バンドセットでライブすることを想定するとして、そこで自分が弾くであろうパートを左のチャンネルに振りたいんです。
で、このアルバムはアコースティック・ギターがメインに据えられている曲がほとんどなので、大体が左のチャンネルにアコギの音があるのだけど、この「halo」に関してだけ、左のチャンネルにはエレキギターが振られています。だからじゃないかもしれませんが、この曲だけ少し趣が違って聴こえるような気がしています。アルバムの中で一番ロックを意識してるのがこの「halo」かもしれません。全然ロックではないんだけど。笑 意識としてね。
07.モノローグ
この曲も、出来た当時Soundcloudにアップして、解説的なものを書いてました。
なので歌詞の解説は割愛して…
アルバムに収録するにあたって、ミックスをやり直しています。「アルコール」と同様ですね。主にボーカルのイコライジングを調整しました。このイコライジングって作業が一番むずかしいと個人的には思っています。正解が見当たらない…。でも、ある程度しっくりくる設定をアルバム製作中に見つけたので、その設定を保存して、使用しています。笑
しかしこの曲、Ⅱm7から入るサビなんですよ。Ⅱm7→Ⅲm7→Ⅳ→Ⅴという。このコード進行って徐々に盛り上がっていく進行なので、Bメロとかサビの終わりに使われることが多いのだけど、これ自体をサビに使ってるのが自分では珍しく感じました。
そんな進行なので弾き語るとイマイチ盛り上がれないサビなのですが(笑)、音源ではサビ!って感じのものに出来て良かったです。
08.Sleepwalking
アルバムの中のスパイス的存在だと思ってる曲です。笑
リズムの幅として、どうしてもゆったりとしたものが多くなってしまったから、バランスを取る為にも、必ず収録したかった曲です。
バンドアンサンブルとして(自分で演奏してるとはいえ)、とてもまとまったものに出来たかなぁと感じています。出来ないことはせず、やれることをやろうと開き直った演奏ですね。笑
タイトルは「夢遊病」という意味です。アルバム中、一番暗い歌詞かと思います。
09.(Not)Only
タイトルはエヴァンゲリオン新劇場版のサブタイトルを意識しました。笑
(Not)を付けることで2つの意味を持たせることが出来るのを前から気に入っていて。
この曲はサビが二段階あることが気に入っています。「ペダルを漕いで〜」の部分と「だから今更〜」の部分ですね。自分の曲の中でははじめての構成かも。
暗めの歌詞だけど、サウンドは明るめに仕上げました。サビの感じなんてすっごいポップですよね。
で、8曲目の「Sleepwalking」とBPMが全く同じで、リズムのハネ具合も同じです。そしてこの「(Not)Only」の方が「Sleepwalking」より半音高いキーになっています。だから「Sleepwalking」からの流れで聴くと繋がってるように聴こえつつ、半音上がってるのでテンションも上げられる曲順になっている、…と思います。笑
nana用のTwitterアカウントに上げてた弾き語り動画をyoutubeにアップしたので、よろしければご視聴くださいな。ワンコーラスだけだけど。
10.飛行機雲
お風呂に入っていたら「空を切る飛行機雲〜〜」の部分が頭の中に浮かんで、そのままお風呂に入りながらしばらく頭の中で作詞と作曲をし、お風呂から上がって急いでコードを付けて形にした曲です。笑
お風呂はアイデアが浮かぶ場所、というのはあるあるだけど、同時にすぐ忘れてしまうというあるあるもあって。だからお風呂で浮かんだアイデアをこうして形に出来たことをまず喜んでいましたね。
なんとも救いようのない歌詞なのだけど、その救いようのない、どうしようもない無常感を、空を切る飛行機雲に託すというか、委ねるというか。まぁ、見上げてるだけではあるんですが。
「君がいなくなってもやれることは馬鹿みたいに沢山あるんだよ」という部分から、「君がいなくなってもやれることがあることがこんなに辛いなんて」というものに繋げられたのがアルバム中一番気に入ってる部分かもしれません。この部分を歌うとき、妙に泣けてしまう時期がありました。すごくパーソナルな部分を書いた気がして、歌うのがちょっと照れくさかったり、恥ずかしかったりします。
この曲に関しては、やはりイントロが、ね!壮大な感じで気に入っています。空を飛んでいるような浮遊感とキラキラ感。そこからズバッとまさしく空を切るように歌に入るのが好きです。
あと、間奏の鍵盤ハーモニカが絶妙な音を出してくれました〜!あの間奏を聴くと個人的には夕方の商店街みたいな映像が浮かびます。クレヨンしんちゃんのオトナ帝国の逆襲でケンが作り上げた疑似の昭和の町みたいな。あんな、豆腐屋さんのラッパの音が聞こえてくるみたいな、カレーの匂いがどこからともなく漂ってくるみたいな。そんな、ノスタルジックな映像が浮かびますね。どうしてだか。
余談ですが、このアルバムの制作中に改めて「オトナ帝国の逆襲」を鑑賞しました。やはり号泣しました。
おわりに
そんな感じで!これにてアルバムの全曲解説終わりであります。
今回の作品は、自分でめっちゃ聴きました。過去こんなに繰り返し聴いたことなかったな。寝る間にイヤホンで聴いていたので途中で寝落ちすることも多かったですがw、何度も何度も聴いて、改善点まとめて調整し直したり。出来たてホヤホヤのうち、というよりは、味が染み込むまで待とう、みたいな感じでした。また今聴くといろいろ思ったりもするのですけど…。
今作は、主にnanaのフォロワーさんからダウンロードとかCDの購入をしてくれた方が多かったです。というか、ほぼほぼそうでした。改めてお礼申し上げます。ほんとうにありがとうございました。あなた方のおかげで僕の承認欲求がものすごく満たされました…。そしてこれからも頑張ろうと思えました。
これからも色々と制作していこうと考えていますので、その時はまた応援の程よろしくお願い申し上げます…!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!最後に今一度リリース案内ページを貼っておきますね。