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音楽の事をあんな視点、こんな視点から綴ります。

6年前に思いを馳せて。〜「HARMONY」曲解説。

「3.11」という数字の列。

きっと終戦記念日「8.15」や広島長崎の「8.6」「8.9」、そして同時多発テロ「9.11」というものよりもみんなの頭に残っている数字だと思います。

もう6年。まだ6年。

とんでもない災害だった。こんな九州の西の地にいても、ひたすら怖いと思った。

震災と音楽。

あの震災以降、きっと何かが変わったのだと思う。

 

僕は音楽家としての在り方を考えていました。

あんな状況下では音楽なんて何の役にも立たないんじゃないか

とか

所詮音楽なんて…って。

 

でもそうじゃない。やれることはある。

そう思わせてくれたのもまた音楽でした。

 

クラムボンのミトさんが"翌日"の3.12にアップロードしたインスト音楽。

www.youtube.com

ZAZEN BOYS向井秀徳氏がアップロードした「ふるさと」。

www.youtube.com

他にも震災をテーマにした作品を色々なアーティストが発表し、それを主体として義援金活動を行ったり、実際に被災地へ赴くアーティストらもいました。

ミュージシャンでなくても、音楽現場の内側から活動を行っている人らもいますしね。東北ライブハウス大作戦とか。

東北LIVEHOUSE大作戦_TOP

 

音楽ってすげぇじゃん!って思わせてくれた沢山の先輩がいます。

彼らは今も能動的に活動しています。

スマートフォンが多く浸透している今だからこそ手軽に、でも確実に多くの人に届けられる方法があります。

 

音楽業界ってなんだかドロドロしてるイメージだけど、なんかさ、もっと音楽が自由に飛び回れるものになって、それできちんと作者が生活していけるようなサイクルが出来ればいいなぁって思います。

今、そんな時代に向かってる気がするんですよね。いろいろ難しいだろうけどさ。

 

そんな素敵な未来を想像出来るのもまた音楽の力。

もっと言えば、今自分が生きているからこそ考えられることなんですよね。

 

まだまだ復興が厳しい地域もあるようですが、

matome.naver.jp

まったく元通りとはいかないかも知れないけど、時間がかかっても…どうか…。

と、思います。沢山の人が笑顔になれますように。

HARMONY。

この流れで書くのも宣伝のようでアレなのですが、僕も2011年の3月15日に一曲アップロードをしました。

それが「HARMONY」という曲です。

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www.youtube.com

当時、Twitterでは様々な情報がタイムラインを流れていきました。

その中でとても記憶に残っているのが、「ガスの元栓」です。

 

「ガスの元栓は、今は地震が起きるとオートで止まるから閉めなくていい。それより早く避難しましょう」

というツイートが千単位でリツイートされている反面、

「ガスの元栓は閉めるべきです。オートで止まるのは都市ガスだけだし、ご家庭のガスがオートで止まるタイプかどうかを知るべきです」

とかね。

これって、きっとどちらも正しくて。

誰も嘘吐いて被災者を困らせようとは思ってないんだけど、あの危機的状況では何が正しいかなんて冷静に判断出来ないはずです、きっと。

でも恐怖は確かにすぐそばにあって。

 

熊本地震の際、僕が住む長崎県も大きく揺れました。

その時、家族や友人らと「揺れたね!!」「怖かったね…」と話が出来る喜びを感じました。

誰かの存在そのものが、自分が安心出来る事に繋がります。

それってすごいなぁって思います。

話せること、こうして言葉を綴れること、笑い合えること。

 

そういうのを忘れないために作った曲です。

そして、そんな思いが誰かにとっての希望になれたら嬉しいし、それが連鎖して広がっていって欲しいな…という。

そんな、音楽家としての少しのエゴもありながら。

 

ラストは、そんな事がありつつも、いつもと変わらずに暮れていく太陽の光と、当時画質の荒い映像で見た原発が爆発した時の光。

 

そして、"これから"に向けて心に灯した光。

 

そんな光たちを脳裏にチラつかせ、あえて落ち着かないコード(和音)で終わらせました。

これで終わりじゃないよ、続いていくんだよという気持ちを込めて。

 

この曲の最後を、いつか気持ちのいい「E」のコードで終わらせられる時が来たら良いなぁ。と、今思いました。

 

6年前に思いを馳せて。

「HARMONY」という曲の解説でありました。

 

2017.3.11