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音楽の事をあんな視点、こんな視点から綴ります。

「ミュージシャン」という言葉、死んでしまえ。

自分のことを「ミュージシャン」だと言うのに抵抗がある、僕です。

っていうか、「ミュージシャン」って響き、バカっぽくないすか?w

いやね、例えば漫画なんかで「自称ミュージシャン」って肩書きのキャラが出て来たらどう思います?ああ大成してないバカキャラなんだなぁって映るでしょう?

犯罪犯したやつのニュースやってて、そいつのこと「日本太郎(22)自称ミュージシャン」って書いてあったらやっぱちょっと笑っちゃうでしょ?

 

だから「ミュージシャン」って言葉はもはや揶揄として使われてる気がするんです。

これは一種の言葉狩りのようなもので。じゃあミュージシャン達はなんて名乗ればいいのでしょう。「アーティスト」?「音楽家」?うーん。

っていうか、"どうあったら"我々はミュージシャンと名乗っていいのでしょう。

その辺を考えたい。

 

メシが食えてるか否か。

音楽だけで生活が出来ていれば、それはもう「ミュージシャン」でしょう。非の打ち所がない「ミュージシャン」です。

でもなんで"そう"なのでしょう。

ええやん。別に音楽一本でメシが喰えてなくてもミュージシャンって名乗ってええやん!そういう人、現に沢山いるし。

でも世間は許してくれないんです。例えば会社勤めの傍ら、週末は音楽活動に勤しんでいる人がいたとして。その人は僕から見れば「ミュージシャン」です。

でも世間的には「会社員」であり、音楽は"趣味"のように映るのだと思います。

「結局音楽だけで食えてないんでしょ?」って思われるんです。

 

よし、この際言っておきます。

 

音楽だけでメシが食えるということは東大受験合格よりも難しいことです。

いや、ハーバード大に入学することよりも難しいです。

今年の東大に関して言えば、約8700人の受験者に対して合格者が3100人います。

じゃあ音楽だとどうでしょう。8700人のミュージシャンがいたとして、音楽だけでメシが食えるの。正直0人と言っていいと思います。

それどころか東大に入学できるレベルの頭脳を持った人間でさえ、ミュージシャンとして成功出来る人間は限りなくゼロに近いくらい少ないでしょう。

 

…全国にどれだけミュージシャンがいて、毎年そのうちの何人が音楽だけで生活でるようになったなんていうデータは残念ながらありません。分母が多すぎるから。ミュージシャンには試験も無ければ資格もありませんしね。

 

だからこれを期に「音楽だけで生活出来てないならミュージシャンなんて名乗るなよ〜」って意見を少なからず持っていた人はどうか考えを改めて頂きたいのです。

 

それでも湧き出る新人アーティスト。

でもそんな話を聞くときっとこう思うでしょう。

「そんなに難しい事なのに、なんで毎年、毎月のように新人アーティストが出てくんの?」

うん、正しい。笑 僕もそう思いますw

でも、デビューはゴールでなくスタートです。デビューするのは意外と簡単です。いや簡単じゃねーけどさ。

極論だけど、ビジュアルがとても良くて、歌がそこそこ上手ければ場合によっちゃCDデビュー出来ます。でもそれって「ミュージシャン」でしょうか?

 

問題は売れ続けられる事が出来るか、です。

殆どの新人アーティストはその名前を知られないままフェードアウトしていってしまいます。今はSNSなんかで動向を辿れたり出来るようになったけど。

実際に辿ると、色々です。地道に音楽活動続けていたり、いつの間にか結婚して子供出来てたり、何かお店をやってたり…。

それでも彼らは歌を歌い、楽器を弾き、音楽をしています。

音楽から逃げずに、向き合ってる。そこで初めて「ミュージシャン」になれるんだと思うんです。酷だけどさ。

 

 だからこそ、死んでしまえ。「ミュージシャン」。

でも、簡単に名乗れるてしまうのも「ミュージシャン」の悪いところです。

「学生時代軽音部でボーカルやってました!俺の歌聴いてください☆」っていう一読しただけでイラッと来るヤツも(w)、「ミュージシャン」を名乗ることに問題はありません。彼がそう言えばそうなってしまいます。良くも悪くも。

例えばなんだろう。

これまた極端だけど、月に一回友だちとキャッチボールするくらいの人間が「俺プロ野球選手だよ!」って言ってるようなもんなんですよ。いやまじで。

 

だからもう、そんな「ミュージシャン」なら僕はいらんのです。なんの価値もありません。

そう、僕らがほしいのは「価値」です。自分を名乗るにあたって必要な肩書きは必死で頑張って掴みとったものでないとまるで価値が無いのです。

でも残念ながら一言でそれを表せる言葉はありません。今のところ。(「プロミュージシャン」ってのもなんかおかしいと思うし)

 

そして何より「ミュージシャン」の称号は自分で得るものでは無いとも思うのです。

他人から「ミュージシャンだね」って言われて初めて「ミュージシャン」になれるんです。それも、それを言ってくれた人の中でだけね。

その「ミュージシャンだね」って言ってくれる人を沢山増やしていくことが「ミュージシャンの道」なのだと思うんですよ。

そしてその道程は、茨とトラップだらけで、なおかつ殆どの日々が悪天候なのだ。

 

くるりの岸田氏が「チアノーゼ」という曲の中で

「ロックンロールという言葉死んでしまえ 革命という言葉と共に」

という言葉を綴っています。

「ロック」も「革命」も、安くて軽いものになってしまった現代。

「ミュージシャン」もきっとそうだ。

 

今は只の平成28年。

「ミュージシャン」は一体どれくらいいるのだろう。