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音楽の事をあんな視点、こんな視点から綴ります。

ドメスティックス②

〜前回のあらすじ〜

漫才コンテスト番組で酷い点数を取ったものの、見事優勝に輝いた漫才コンビ「ドメスティックス」。

しかし世間的にはその事が波紋を呼びすぎてテレビ番組への露出はむしろ減ってしまっていた!どうなる!ドメスティックス!

masacla.hatenablog.com

 

〜地方営業の楽屋にて〜

A「ふぅーーー(煙草)」

B「ポチポチポチ…(スマホゲーム)」


スタッフ「あ、ドメスティックスさん!まもなく本番です!よろしくお願いします!」

A&B「うーーっす…」

 

地方で活動しているような女性タレント「さ!それではいよいよドメスティックスのおふたりの登場です!かの漫才コンテストで優勝したばかりの彼らを今回は奇跡的にブッキング出来ましたー!それではドメスティックスのおふたり!よろしくお願いしま〜す!!」

 

出囃子 ♪Avril Lavigne:「Complicated」

パチパチパチパチ…

 

A「いっやぁ〜!奇跡的にブッキングなんて言われちゃいましたよ!」

B「ねぇ?!俺ら相当ヒマですよ?w」

A「ねーw明日も明後日もスケジュールがら空きだっつのw」

B「さっきの女性の方を後で楽屋呼んで説教だなw」

A「やめとけよwwいやー、僕らドメスティックスって言うんですけどね」

B「顔と名前だけでもなんちゃらかんちゃら〜!」

A「はしょるなはしょるなw」

B「っていうかさ、俺らのコンビ名ってどうやって決めたっけ?」

A「ドメスティックス?え、あれ、なんだっけ…」

B「コンビ名の由来を2人とも覚えてないというw いやまてよ、なんか多分おまえんちだったと思うんだよ決めたの」

A「あー?あ、我々高校の時の同級生なんですけどね、まぁよく放課後お互いの家を行き来してたんですけど、え、そうだっけ?」

B「多分…。あ、ほら!俺らが爪楊枝を綺麗に裂く遊びをしてたらお前の母ちゃんが」

A「おい待てwそんな遊びしてねぇよw何が楽しいんだそれ!」

B「なかなか綺麗に裂けないんだよな!」

A「だよな!じゃねーよ!wしてねぇって!」

B「そしたらお前の母ちゃんが部屋に来たんだよ」

A「来たかねぇ」

B「『A!Bくんも!天気良いんだから外行って遊びに行って来なさい!』って言われたんだよ確か!」

A「へぇ〜いや覚えてないわ」

B「で俺ら抵抗したんだよ!『いや寒いっすよ』つって。冬だったから」

A「うん」

B「そしたらお前の母ちゃん血相変えて『出て行け!!クズどもが!』つって!」

A「俺の母ちゃんやべぇだろそれw」

B「その数カ月後お前の妹を妊娠して」

A「おいちょっとまて!そんな言い方すると俺の母ちゃん"その為"に俺ら追い出したみたいになるだろうが!」

B「たまらなかったんでしょう」

A「やめろ!聞きたくねぇ!」

B「何がですか!生命の神秘でしょうが!」

A「超気分悪くなってきたわ〜!」

B「それで、ふたりで『さっきのあれは家庭内暴力に入るのか』みたいな議論になったでしょ?」

A「あ〜そっか、そうだったかも知んない」

B「で、わ〜っと議論してて、家庭内暴力ドメスティックバイオレンス…」

A「あ、それで?ん〜そうだったかなぁ」

B「多分そうだったと思うんだよな〜!」

A「でもなんでドメスティックバイオレンスだからつってそれをコンビ名にするんだろうな?」

B「わからんw」

A「な?w響きがかっこいいからかね?いや〜でも覚えてないわ〜」

B「そういえばお前の母ちゃん元気?」

A「はwなんだよそれww漫才中に聞くことかよww」

B「元気なのかなってw」

A「いやまぁ元気は元気よ?昨日も電話くれて」

B「へぇ!」

A「なんか膝が痛いみたい」

B「あ〜膝がね。やっぱ年齢重ねると膝とか痛くなるらしいよね」

A「うん」

B「ね〜」

A「……いやこれ何の話だよ!!みんな知らねぇようちのおふくろ話!!どうでもいいよ!」

B「みんな親がいるんだから気持ち分かるでしょうが!」

A「なんでてめぇがキレてんだよ!!」

B「いやここで家族の話とかしたら好感度上がって仕事増えるかなって」

A「増えねぇよ!いいかげんにしろ!」

A&B「ありがとうございました〜」

 

女性タレント「いや〜はっはっはwwあたし後で楽屋呼ばれちゃいますねwwえー、この後はドメスティックスのお二人の質問コーナーが御座います〜!みなさまからの質問に何でもお答えしてくれるそうですよ〜!あたしも何か聞いちゃおうかな?なんつって!さ、質問コーナーはこのあと14時から、場所はココ、ガーデンステージで行いまーす!」

 

〜14時〜

会場にはなんと超満員の観客が押し寄せていた!

 

女性タレント「いや〜ものすごい人がいますね!」

A「すごいですね?俺らですよ?」

B「なにが楽しくてここに集まってるんですかね?w」

女性タレント「いやいやwおふたりの人気ですよ〜 さて、早速質問コーナーを始めようと思いますが、なにか質問ある方いますか〜?」

そこには一斉に挙がる数多の手が!

A「いや質問ありすぎだろ!答えられんよ?!」

女性タレント「では…あ、そこの帽子の子!男の子かな?緑のシャツの…そう、ぼく!」

 

緑シャツの子供「あの…なんでおふたりは…テレビに出ないのですか…?」

(会場ざわつく)

B「いや〜俺らも出たいけどねwテレビってのは『出て下さ〜い』って呼ばれるものなのよ〜。呼ばれてもないのに出て行ったら迷惑でしょ〜?」

A「いや真面目か!w まぁまぁでも、そういうことだよ、出たいけど呼ばれてないから出てないのよ〜」

 

緑シャツの子供「ドメスティックスは…ほんとうにおもしろいし…たくさんテレビに出て欲しい…(涙声で)」

(それに釣られて泣き始める大勢の観客)

 

A「えwwちょっとwなんでみんな泣いてんすかww」

B「こわいこわいこわい!」

女性タレント「ほんとに…こんなにおもしろいのに…(涙)」

A「あんたも泣いてのかよ!!いやおもしろくねぇよ!!おもしろくねぇよっていうのもおかしいけどよ!なんだこれ!」

 

某中堅芸人M「ほんまやで…めっちゃおもろいのになんでテレビ出ぇへんねや…涙」

B「うわ!おはようございます!え!?Mさん…?!」

A「おはようございます!え?え?」

某中堅芸人M「なんつっっっっっっってねー!!!!!」

(会場ドカンとウケる)

A&B「え?え?」

某中堅芸人M「ドッキリやねんww」

A&B「ちょ…ちょっと待って下さいよーーーー!!!!」

 

このドッキリ番組が視聴率14.5%を記録し、ドメスティックスはお茶の間に認められ、人気芸人の仲間入りを無事に果たしたという…

 

A「いやちょろいなお茶の間!!」

 

おわり