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CSA⇔mscr

音楽の事をあんな視点、こんな視点から綴ります。

「音楽の専門学校って何すんの?」って質問に答えてやるから覚悟しろ。

蒸し暑いね、最近。ムカつくね。

半袖を着る季節になりだしたら「ああ…早く秋来ないかな…」と思っちゃう系男子な僕です。どうも。

さてさて。

僕は高校を卒業してすぐ、音楽系の専門学校に通いました。

でもそこは学校法人ではなく、イメージ的には"塾"っぽい感じの学校で、生徒も超少人数でした。

でもその分講師たちと直接質問等を行うことが出来るので僕にとってはとても有意義な学生生活でした。

でね、音楽の専門学校行ってたんだと知られると大体「え、音楽の専門学校って何学ぶの?」って聞かれます。ふう…。

 

音楽だよ!!

だいたい分かるだろ!もうちょっと的に当てる質問してこいよ!

「今わたし味噌汁作ってるんだ〜」ってのに「え、味噌汁ってどんな味?」って聞いてる様なもんじゃ!味噌味じゃ!味噌汁だっつってんだろ!!せめて「え〜味噌は何使ってるの〜?」とか「具はなに入れた〜?」とか聞けよ!!

 

…という心境になります。笑

ま、実際そこまでキレてないけど、今後そのような質問を出来るだけ受けないために(笑)、音楽の専門学校で学ぶことを説明します。

あ、音楽の専門学校と一口に言っても、色々な「科」があります。

全員が全員同じ授業を受けるわけじゃないですが、僕が通っていた学校は比較的に全体像を捉えたものでした。そこら辺ふまえて。

楽典。

まずはこれでしょうか。「がくてん」と読みます。

簡単に言うと、音楽の成り立ちを論理的に理解する授業です。

例えば…お辞儀の音楽あるでしょ?

www.youtube.com

これこれ。こういうの。

コードを言うと「C→G7→C」という進行なのですが、最後のCが鳴った時「落ち着く」でしょ?あ、戻った戻ったみたいな。

じゃあなんで「落ち着く」と感じるのか、というのが楽典の一つです。

「楽典」は、突き詰めていけばとても難しいものです。僕が通っていた学校ではペーパーテスト等はありませんでしたが、もしあったと考えると結構凹みますね。

でも、非常に面白い授業です。音楽を徹底解剖している気分になれます。

実際、楽典を勉強しているのと、していないのとでは曲作りの奥行きが違います。

みなさんが好きなアーティスト、曲は多くの場合、この「楽典」を通っているものだと思いますよ。例外もあるでしょうが。

楽器をしていればより理解が深まるかなぁと。逆に、楽器をしていないと理解に苦しむかも。

楽器/ボーカル。

その「楽器」の授業ですね。ピアノならピアノ、ギターならギターと専門講師に習うのが「楽器」の授業です。

これはほんとにその楽器毎で授業の構成など違うでしょうが、おそらくは基礎練習→応用練習→演奏会というのがひとつの流れでは無いでしょうか。

上手になって、お客さんの前で演奏するのをひとつの目的とする、みたいな。

これは専門学校に限らず、街中の「◯◯教室」も同じだと思います。スキルを上げる授業ですね。

「ボーカル」も同じです。歌を上手にしていく授業ね。楽器も難しいけど、ボーカルはほんとに難しいですよね…。

リペア/クラフト。

楽器の修理法、製造法を学ぶ授業です。これは僕の学校にはありませんでしたね。日常のメンテナンス程度は教えてもらいましたが。

つまりはこれこそ「専門職」と言えるでしょう。

どんなに演奏が上手いミュージシャンも、細かい部分の修理となると出来ないことが多いです。

何故か。

それは、専門的な道具や知識が必要になるからなのです。演奏の知識は殆ど役に立ちません。特にエレクトリック楽器(電子回路等が中に組み込まれているもの)は難しいでしょうね。あ、もちろんアコースティック楽器も大変だけど。

作業だけ見てるとガチの職人さんです。

そういうのを学び、職業にしたい人が通うのが「リペア/クラフト科」です。

専門的な知識と技術があれば食いっぱぐれませんよね。

他にも「ピアノの調律」を専門にしたりだとか、色々あります。

PA

PAとは、Public Address(パブリック・アドレス)の略語です。

つまりは「音響」と捉えて構わないと思います。

ライブハウスで、会場で。アーティストが鳴らしている楽器や歌のバランスを整え、スピーカーから鳴らすのがお仕事です。簡単に言えば。

僕の学校では講師陣がよくライブ活動をしており、その裏方を手伝うことで現場を学びました。

その中でもこのPAという仕事は非常に大変なものだと思っています。どのくらい大変かと言うと…

テレビにブルーレイレコーダーを繋いで、あ、スカパーも繋いで…そのテレビでHuluも観たいからPS3繋いで、で、パソコンの画面としても使いたいから…

って作業のおよそ82倍くらい大変です。笑

要は、どのケーブルがどこに繋がっていて、それを次にどう繋ぐのかという事が分かっていないとダメです。そしてその繋がった"回路"で、全てがバランス良く聴こえるよなう"調整"も必要です。音量のバランスや、左右のサラウンドのバランス…などなど。

こちらも「専門職」ですね。技術と知識と経験が必要です。

だから機械に強く、またそういう作業を好きな人が向いてますね。

また、アーティスト自身がこのPAの大変さや構造を知ることで、現場スタッフとの信頼関係が強くなることもあります。

思うに、アーティスト側は出来るだけ色々な事を知る必要があると考えます。

自分が造った音楽のことだけやっていては陰で舐められます。色々な現場、作業に対して敬意を持ちましょう…。

というのは持論。笑

照明。

こちらも立派な技術職ですね。PAとは違いますが、似ている部分もあると思います。

音楽のリズムや雰囲気に合わせて舞台上の色彩を変えたりと、その場の空気を作る仕事と言えるでしょう。

他の専門学校において「照明科」というのがあるかは分かりませんが、僕は実際の現場で学びました。いや〜めっちゃくちゃ緊張しますよ。自分のさじ加減で舞台を暗くも明るくも出来るわけですから。PAも緊張しますが、照明も気が抜けない大変な作業です。

DTM/レコーディング。

これを必須科目にしている学校も多いんじゃないですかね。

DTM=Desk Top Musicの略です。パソコンを使用して楽曲をレコーディングするのを学ぶ授業です。

レコーディングとは、昔のカセットデッキのように「録音」ボタンをガッチャと押すだけではありません。笑 その録音ボタンを押すまでに色々な準備や作業があり、押した後も様々な作業が必要です。

自分のオリジナル曲や、それが無い人は既存の楽曲を利用したりして作り上げていく、その過程でやり方を学ぶ授業です。

こちらも専門的な知識が大いに必要です。僕も学びましたが、未だに難しいです。

なにせ環境を整えるのにそこそこお金がかかります。

そしてお金をかけて環境を整えても、いいモノが出来上がるとは限りません。

楽器と同じで、「終わりのないもの」ですね。突き詰めていけば終わりがないです。

それでも、アマチュアミュージシャンは「音源」が無いとどうしようもありません。

だから専門学校に行ってない人も自宅にDTM環境を取り入れていることが多いですね。

それを学校では専門的に学べるので、身に付けばとても役に立つ授業だと思います。

それと、レコーディング・エンジニアとしての可能性も広がります。

ミュージシャンでなく、ミュージシャンの音源を作る仕事ですね。(エンジニアの方も立派なミュージシャンだと僕は思いますけども)

音のバランスを整えるという意味ではPAと非常に近いものがありますね。

まとめ。

だいたいこんな感じでしょうか〜。あとは学校によって「ダンス科」とか「イベント企画科」とか「映像科」とか、いろいろありますね。

僕が通っていた学校では出来る限りその"いろいろ"を学ばせてくれました。ダンスは無かったけどね。

自分でライブイベントを企画し、実際に収益が出るように調整したり。

ライブイベントというのは音楽のあれこれが総合している場所です。その為にみんな頑張っていると言っても過言では無いです。だからとても勉強になるのですよ。

チケットをデザインして、印刷して、切って…とか。カラオケ音源を使う人用にCDを準備したり、とか。いっろいろ。大変です。飲み会の幹事より大変ですよ。きっと。

でも大変なことをしないと覚えないじゃないですか。なんでもそうですけど。

 

で。つまり音楽の専門学校とは、

音楽にまつわる色々な事を色々な視点から学ぶ場所

であります。

どうしても専門的な説明が必要なので一言では言い表せませんが、「専門学校」って音楽に限らずどこもそういうものですよ。

だから「◯◯の専門学校出身なんだ〜」という話を聞いたら「◯◯の専門学校って何を学ぶの?」なんて雑な質問をしないようにしましょう。笑

聞くとしたら、「◯◯の専門学校なんだ〜、どんな授業が印象に残ってる?」という質問の方が、聞かれた側は答えやすいです。同じことを聞いてるんですけどね。

以後、ご参考にして下さい。笑

 

それでは、こちらからは以上です!